新しい白衣のデザインを担当した、『ユニフォームサーカス ビームス』の曽山祐企さんと水野ひとみさん。「これまでで1番と言うぐらい、機能性や形、着心地などを試行錯誤しました」と語る2人に、新しい白衣へのこだわりや想いを伺いました。
「この白衣のテーマは“FEELING&FUNCTION(フィーリング&ファンクション)”です。“着心地がよい”という意味も含まれていますが、この白衣を着た皆さんのモチベーションが上がり、来店された方へよい印象を与えるデザインであること。そして、皆さんのパフォーマンスがより高くなるような機能性のよさを両立させることを意識しました。まず、デザインに関してお話すると、メンズはトラディショナルな白衣の進化版。ラグランスリーブでありながらもセットイン、という斬新な肩のラインなのですが、こうすることで着心地のよさを保ちながら、見た目のかっこよさも際立つようにとデザインしました。レディースはいわゆる白衣の概念から離れたデザイン。何と言ってもこの大きな襟がポイントで、ふんわりと立体感が出るようにと、縫製にはかなり時間をかけた自信作でもあります。メンズはブランドカラーのオレンジ色を、さりげなく首周りに配置していますが、これは首後ろの汚れが目立たたないようにする効果を狙ったもの。清潔感を損なわないようにと施した、秘密のポイントでもあります」。
デザイン性の高さや着心地のよさだけではなく、これを着たスタッフが施術しやすい白衣にするために、実際にスタッフに話を聞き、要望を反映することで機能性の部分を高めていった2人。どんな要望があがり、実際に形にしたのだろうか?
「まずひとつ目は、“抱える動作のしやすさ”。お客さまを施術する際に最も多い動作だということで、腕の可動性のよさや、フロントファスナーの金属部分がお客さまに当たらないように裏面を表に持ってくるなどの工夫を施しました。次に、女性からの要望が多かった、“胸元の開き具合や着丈の長さ”。前屈みになっても安心の絶妙な寸法と、可愛らしさを両立させるデザインには試行錯誤を重ねました。それでも、何度か試作品を着て、実際に施術していただく機会を与えていただけたことで、微調整しながら、うまく形にできたと思います。また、最も多くの要望が挙がったのが、“ポケット”について。モノを入れても落ちないように、けれども取り出しやすいものがいい、という要求レベルの高いものでしたが、ポケット位置を通常よりも少し高くすることで、そのどちらも叶うものになりました。実際にスタッフの皆さんに話を聞かないと、私たちだけでは気がつかないポイントが多かったな、と改めて思いますね」。
実際にスタッフへのリサーチや、試作品を持ち込んでのやりとりができたのは3回ほど。少ない時間でありながらも密に話を進める中で、2人が驚いたと語るのは、スタッフのプロ意識の高さ。
「多くのスタッフに話を聞きましたが、皆さん、自分自身の着心地のよさよりも、“お客さまに金属が当たらないように”など、お客さまに対しての気配りを第一に考えていて、本当にプロとしての意識が高いのだなと、とても感激しました。そのような声をたくさん聞けたことで、結果的に、白衣の概念を覆すような新しいデザインが完成したことは、私たちにとっても大きな喜びです。私たち自身、実際に施術の現場でスタッフの生の声を聞きながらデザインすることは初めての経験でしたから、デザイナーとして貴重な経験をさせていただけましたし、今後の大きな糧にもなったと思っています。私たち、そして何よりカラダファクトリーの皆さんの想いが詰まったこの“作品”を纏うことで、これまで以上のパフォーマンスを発揮していただけたら、こんなに嬉しいことはありません」。
伸縮性や身体へのフィット感、吸汗・速乾性、そして耐久性など、施術中の動きやすさや着心地のよさを追求し、採用されたのが、「ストレッチモック32」。縦横に柔軟に伸縮するため、身体の動きを妨げることなく、施術に集中できる最適な素材です。また、菌の繁殖を抑える加工がなされ、いつでも清潔さを保つことができるのも嬉しいポイント。非常に軽量のため、長時間着用しても、疲れにくいことも魅力です。UVカット機能も備えています。